倉掛俳句会投句集
倉掛支部では、毎月の投句を年度ごとに集めて投句集を発行しています。
令和5年度の投句集は、特に支部発足35周年、開催400回、句集発行20号などの節目の年で、
歴代講師・役員表なども掲載され、思い出深い投句集となっています。
往診医花野の牛に声をかけ 山口美智
空缶の坂かけのぼる野分かな 池田萩邨
寄せ波の音の転がる夏館 田村君男
衣更着の空しきけぶり西の空 矢城小童
耳疎き人の語らひ秋扇 瀬﨑栄子
輿担ぐ子の背不揃ひ山笑ふ 國領隆男
春宵や思案橋にて待つ市電 渡邉午水
検査待つ長き廊下や雪催 渡邉せろり
野遊びや駆け回る子の頬に土 藤本佳子
鈍色の鉄塔の列花野風 山本清司
南無秋の彼岸の夕日赤々と 中村友香
椿落つただそれだけの庭となり 濱本美紀恵
箸置はガラスの金魚夏の宿 森藤日出美
葛の花ドクちゃん二児の父となり 岡本八重子
ストーブに翳す漁師の太き指 山本博子

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